入眠に必要な音とは、睡眠中に必要な音とは?

音と睡眠

都会で暮らしていると 

都会で暮らしている現代人には街の通奏低音とも呼ぶべき、路面と自動車の摩擦音を始めとする、いわゆる街の騒音があり、自宅にはエアコンの室外機音、室内の風切音や冷蔵庫の音など、機械的、人工的、直進音があふれています。

それではうまく入眠するためには完全なる静寂が必要かというと、これはこれで大変な緊張とストレスを生じさせることになります。

ヒトは聴覚動物? 

ヒトは聴覚動物と呼ばれており、生命維持判断を下す感覚センサーは聴覚に頼っています。単純明快な例として「暗闇の曲がり角に敵が潜んでいるかもしれないとき、ヒトは何に頼るか?」ということです。

「視覚」暗闇で見えない。「嗅覚」犬ほど性能が良くない。

「触覚」手探りでさわりに行ったらやられる。「味覚」使えない。

だから、こんな時頼りになるのは「聴覚」しかありません。

私たちの生命維持判断装置とは?

敵の気配を探るため息をひそめ、全身を耳にするように注意を向けます。

生きるか死ぬかの生命維持判断装置を完全なる静寂の中に置いたら、情報不足から極度の緊張状態に陥ります。

猛烈なストレスです。

音が響かない、音がすべて吸われてしまう「無響室」に入ると私は3分で呼吸困難に陥りました。

これはちょっと意気地なしに聞こえるかもしれませんが、いくら屈強な人でも10分くらいで我慢できなくなるそうです。

生き残るための情報が遮断されてしまうからです。

ですから眠りに入るときや、睡眠中に「自然な音」や揺らぎがうっすらと感じられる自然な環境を整えることが必要です。

指向性のない、包み込まれるような自然な音で、誰もが望んでいる環境が整います。

この記事を書いたひと

有限会社エムズシステム 代表取締役 三浦 光仁

「音と睡眠」に関する第一人者。
音の不思議さ、音楽の凄さに身も心もやられ、人生の半生を捧げる。
あるエネルギーの振動(周波数帯域)により、人体が受け止める感覚センサーが異なると知り、驚愕。波長、周波数、共鳴、共振、という科学に足を踏み入れ、量子論的な世界を毎日楽しく生きる、有限会社エムズシステムの代表取締役、三浦光仁(みうらてるひと)。