境界線としての睡眠

音と睡眠

感覚がほどけ、世界とつながるとき

私たちは「眠る」と聞くと、活動をやめて“意識が切れる”時間だと考えがちです。
けれども、睡眠とは本当に“無”なのでしょうか?
夜になると、意識は薄れ、まぶたが重くなり、身体が布団に沈んでいく。
このプロセスはまるで、こちらの世界からあちらの世界へと向かう「移行の儀式」のようでもあります。
睡眠は、ただのオフではなく、「境界線に立つ時間」なのです。

ゆらぎの中で“わたし”がほどけていく

眠りに落ちるとき、私たちの感覚は徐々に外の世界から離れていきます。
けれど、それは一瞬で切り替わるスイッチのようなものではありません。
音や光、身体の感覚が少しずつぼやけていき、思考も緩やかに流れていく。
そのプロセスは、“感覚がほどけていく”時間。
つまり、睡眠とは「外界と自己の境界」が、グラデーションのようにゆるやかに曖昧になっていく状態なのです。
この「ゆらぎ」こそが、質の高い眠りの本質ではないでしょうか。

緊張が解かれる「許しの空間」

現代の私たちは、日中、ずっと境界を守り続けています。
社会的な役割、対人関係、情報の波――
私たちは常に、自分と外の世界を明確に分けて、緊張を保って生きています。
けれど眠るときだけは、その境界を一時的に手放してもよい。
自分の輪郭をあいまいにしても、安全である。
それが「眠り」なのです。
だからこそ、眠りは「信頼」の場でもあります。
心身がリラックスし、外界への警戒を解くことで、“わたし”はようやく眠りに身を委ねることができます。

音がつくる「やわらかな境界」

ここで大切なのが「音の役割」です。
聴覚は五感の中で最後まで眠らない“見張り役”とも言われています。
夜中の物音に反応して目が覚めてしまうのも、この「聴覚の警戒」が働いているからです。
しかし、エムズシステムの波動スピーカーが奏でる音は、その聴覚に“安心”をもたらします。

音が一方向からではなく、空間全体に広がっていくことで、聴覚は「刺激」としての音を感じるのではなく、「包まれる環境」としての音を受け取るようになるのです。
このとき、音は“情報”ではなく、“空気そのもの”へと変化します。
その変化が、聴覚を安心させ、心の境界線をやわらかくしてくれるのです。

境界線をほどくこと=深い癒し

眠りとは、世界との距離をいったんほどく時間。
緊張をゆるめ、感覚をほどき、自分と世界の境界線をいったん外す。
その瞬間に訪れるのは、深い癒しと回復です。
そしてそれを助けてくれるのが、「音」という存在。
自然なゆらぎをもった音が、眠りの境界をやさしく包み、わたしたちを安心の世界へと導いてくれます。

睡眠とは、ただの休息ではなく、境界線をほどいて、ふたたび世界とつながるための時間なのかもしれません。

この記事を書いたひと

有限会社エムズシステム 代表取締役 三浦 光仁

「音と睡眠」に関する第一人者。
音の不思議さ、音楽の凄さに身も心もやられ、人生の半生を捧げる。
あるエネルギーの振動(周波数帯域)により、人体が受け止める感覚センサーが異なると知り、驚愕。波長、周波数、共鳴、共振、という科学に足を踏み入れ、量子論的な世界を毎日楽しく生きる、有限会社エムズシステムの代表取締役、三浦光仁(みうらてるひと)。